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2020.11.20 第二回SVC年次総会を開催いたしました!

最終更新: 2020年12月17日

2020.11.20 第二回SVC年次総会を開催いたしました!

SVC 臨時総会&活動報告会(2020年6月12日)に続き、第二回 SVC 年次総会並びに活動報告会を2020年11月20日にオンラインで実施しました。

当イベントは「❶ 第一部:年次総会」、「❷ 第二部:活動報告会」の二部構成で計4時間に渡って行われ、SVC役員、正会員、賛助会員の方々等、およそ90名の方にご参加いただきました。


❶ 第一部:年次総会(14時00分~14時45分)

 参加対象者:幹事並びに監事、及び正会員

 議案:以下の通り

 ・審議事項

 ・新役員選任/役員交代

 ・前年度の決算&今年度活動計画及び収支予算(含む実績報告)

 ・新規会員紹介(3名)


第一部の年次総会では、SVC役員及び正会員の方々にご出席いただき、新役員の選任及び、前年度の決算と今後の活動計画等について審議を行いました。


❷ 第二部:年次総会(15時00分~18時00分)

 参加対象者:幹事並びに監事、及び正会員

 タイムライン:

 15:00 開会の挨拶

 15:05 基調講演「未来に繋ぐ持続可能な社会デザインの創造 〜幸せと恩送りの通貨

     創造プロジェクトを事例として〜」

 15:30 パネルディスカッション ①

     「未来に繋がる場づくり 〜京都信用金庫”QUESTION”〜」

 16:00 パネルディスカッション ②「個が主役のプラットフォーマーの役割」

 17:00 特別テーマ「SVC運営委員と起業家コラボ企画 〜「食・農」をテーマにした

     持続可能な社会〜」

 18:00 閉会の挨拶


■ 開会の挨拶

登壇者:SVC会長 新井和宏氏


コロナ禍においてオンラインでやり取りをすることが当たり前になった昨今、SVCではネットワーク(つながり)で解決できることにフォーカスしています。SVC会長新井和宏氏は、「持続可能な社会をどのようにデザインすれば良いのか」という問いを解決する糸口がこのつながりを通して見えくるようなイベントにしたいと挨拶を述べ、活動報告会がスタートしました。


■ 基調講演「未来に繋ぐ持続可能な社会デザインの創造

  〜幸せと恩送りの通貨創造プロジェクトを事例として〜」

登壇者:慶應SDM 特別招聘教授 保井俊之氏


まずは、慶應義塾大学大学院特別招聘教授保井俊之氏より、「未来に繋ぐ持続可能な社会デザインの創造〜幸せと恩送りの通貨創造プロジェクトを事例として〜」について基調講演を頂戴しました。



保井氏)

「持続可能な社会を実現するためには、あらゆる社会問題をシステム思考、デザイン思考の観点から解決していく必要があります。つまり、あらゆる事象をシステムとして捉え、体系化し、その根本原因となっている部分にメスを入れるアプローチです。例えば、現在イノベーションが生まれないとよく耳にしますが、イノベーションのアイデアが出ないのではなく、イノベーション難民と言われるアイデアを持った人たちが潰されるケースが多いのです。われわれはそこに注目し、彼らを支えるワークショップやネットワーキングを行っています。



このような活動を始めるに至ったきっかけは、2001年9月11日の世界同時多発テロの時でした。実際にニューヨークのワールドトレードセンターにいたのですが、周りでたくさんの方が亡くなる中、奇跡的に生き残ることができました。二度目の人生では、たとえ出世しなくても、おカネにならなくても、社会を前向きに変えるために役立つことをやっていきたいと思い、平日昼間は国家公務員を、夜間と週末は研究者として二枚の名刺をもって活動しています。



社会システムデザインによって地域の社会イノベーションを実現していくには、地域にちゃんと入ることが重要で、地域の人たちの想いを具体的なカタチして、大きな繋がり=システムにしていく必要があります。そして今、あらゆる地域や職場、コミュニティの中でホットな話題となっているのが『おカネ』なんですね。昔は、アフリカの最貧国に行って、ボトム・オブ・ザ・ピラミッド(世界の中で、所得が最も低いが人口では多数を占める層)に対するビジネスをやろう! なんていう動きがあったのですが、近年は身近な地域に戻ってきた、ウェルビーイングを向上させる通貨による社会システムデザインが注目されています。実際に、おカネと幸福の相関に関する研究も進んでおり、『年収7.5千ドル以上になると、収入と幸福度は直接的な相関関係がない』という研究は有名であるかと思います。『モノ消費(物品購入)よりもコト消費(体験への支出)が、自分のためよりも他人のために使う方が幸福度を高める傾向にある』とか、『地域を持続可能で幸福にする社会システムデザインには、利他・贈与・共感・体験・大義のおカネが必要』ということもわかってきています。



また、現実世界に流通している交換価値を生む貨幣と同じ意味合いをもつ『ゼニー』、感謝をつなげていくことで協創価値が生まれる『エミー』という2種類の仮想通貨を使ったワークショップを2016年から実施し、全国各地で開催しています。ワークショップを実施する中で、『エミーを使うと、つながり・共同・創造・共感・歓喜・利他の重要性が感じられ、子どもも大人も関係なく、“笑み”が生まれる』ことがわかりました(ゼニー&エミーは論文にもなり、科学的知見にもなっています)。通貨デザインとしてはエミー・ゼニー志向軸とローカル・グローバル志向軸とに分けられ、様々な通貨がデザインされており、エミー、ゼニーのどちらが良いということではなくどちらも大事なんですね。都会にはエミーが、地域にはゼニーがそれぞれ少しだけ不足気味なので、良いバランスを持ってデザインして社会実装していくことが大切だと思います。このように、持続可能な地域社会を創る社会システムをデザインすることが、社会イノベーションを創発することにつながっていることをお伝えするために、事例をお話しさせていただきました。ご清聴いただき、ありがとうございました。」



■ パネルディスカッション ①

 「未来に繋がる場づくり 〜京都信用金庫”QUESTION”〜」

登壇者:京都信用金庫 理事長 榊田隆之氏、㈱ウエダ本社 代表 岡村充泰氏


続いて、SVC新井会長ファシリテーター、京都信用金庫榊田理事長、株式会社ウエダ本社代表岡村充泰氏をパネラーとして迎えパネルディスカッションを行いました。まずは、「様々な人が問いを持ち寄り、そこに応援したい人、共感する人の輪が広がり、そのコミュニティを通して地域を豊かにしていく」シンボルタワーとして11月2日に建設された『QUESTION』について榊田氏よりご説明をいただきました。


榊田氏)

「皆さま、ご無沙汰しております。いつもお世話になっております。この度、京都信用金庫河原町ビルのあった場所に4年半の歳月をかけて 『QUESTION(クエスチョン)』を竣工させていただきました。1Fには人と人をつなぎ、0を1に変えるコミュニティバー。その奥にはチャレンジスペースがあります。商品開発や起業を考えている人などが何かをテスト的に販売できる場所です。2F,3Fは会社登記ができるコワーキングスペース。特に見どころなのは4Fの遊び心いっぱいの大階段とセミナールーム、8Fのキッチンスペースです。研修やイベントを通じて、同じ釜の飯を作って食うイメージで、参加者同士の関係性向上が図れます。集い、対話し、気付き、共感する。この4つのキーワードを元に生まれるプラスの循環が豊かなコミュニティを形成する原点だと信じ、豊かな地域社会の共創を目指しています(5F:学生に解放されたプロジェクトルーム、6F:京都信用金庫 河原町支店、7F:会議室、8F:コミュニティキッチン)。そして、このビルの機能は以下の6つです。



1)さまざまな情報をオンラインとリアルで発信する「セミナー」

2)人と人、事業と事業をつなげる「ビジネスマッチング」

3)スピーディに疑問を解決する「問いの掲示板」

4)寄ってたかって課題を解決する「プロジェクト」

5)さまざまな人が集まり、コミュニティを形成する「会員相互の広場」

6)商品のテストマーケティングや、共感マネーを集める

  「チャレンジスペース」「クラウドファンディング」



これからは場所に関わらず、人に人が寄ってくる時代がやってきます。SVCには様々な面白い人がいるので、素晴らしい広がりがあると感じています。」


ここで、ファシリテーターであるSVC新井会長からパネラーの皆さまに質問を投げかけ、これからの時代における場づくりについて深く掘り下げる時間がもうけられました。


新井氏)

「榊田さん、ありがとうございました。では、これから“オフィスという観点でこれをどう見ていくのか”を皆さまにお聞きしたいと思います。ウエダ本社の岡村さんは、トラフィック(ウエダ本社2Fにある「地域固有の文化を育む暮らし方、働き方を生み出している各地のプレイヤー」のために設けられた場)というコンセプトオフィスを創られたり、京都信用金庫さんの本店のオフィス環境を創られる中で、『QUESTION』の挑戦について何を感じられているのか、これからのオフィスがどうなっていくのかについて伺えますでしょうか。」


岡村氏)

「ありがとうございます。GAFAを見ても、それぞれのオフィスに対する捉え方は様々です。いきなり全部在宅勤務にしたところもあれば、いずれはまたリアルのオフィスに戻そうとしているところもある。つまりオフィスというのは、単なる仕事をする場所ではなく、その会社のトップやチーム、組織がどのようなことを示していくかということを強烈に表すサインでもあります。そこに構成する人たちが入っていくわけですから、想いを表現したり、方向性、目的をすり合わせていくような場になっていくと言えるでしょう。」


新井氏)

「ありがとうございます。3×3ラボを運営するサードプレイス・コミュニティのプロである田口さんはどう感じられましたか。」


エコッツェリア協会 事務局次長 田口 真司氏)

「サードプレイスを専門に3×3ラボを運営し、コミュニティづくり、場づくりをしている田口と申します。三つお話しさせていただきたいと思います。一つは、社会全体が“組織”とか“効率化”が顕著だった20世紀から“個”や“つながるコミュニティ”という価値観に変化していることを強く感じています。もう一つは、リアルにつながることができる場があると偶然の出会いや偶発性を設計することができるので、オンラインが当たり前にはなっても、やはり物理的な場というのは大変重要であるということ。最後に、“キッチン”は人とのつながりを生み出す上で重要であり、それが実証されてきているということです。」


新井氏)

「コミュニティデザインのプロである武井さんからも一言お願いします。」


株式会社eumo 取締役 武井 浩三氏)

「武井と申します。街づくりをしたり、コミュニティデザイナーとして活動しています。田口さんが仰ったことと被ってしまいますが、街づくり、場所活用において、“隅発性”はとても大切なんですね。なぜなら、人間関係というのは、“雑談”のように隅発性の中で育まれるからです。そこには、多目的・無目的の設計が必要です。目的があるとその目的のためにしか行かないようになってしまいます。土地活用や不動産の世界では“街づくりは1Fづくり”と言われています。1Fに誰でも入りやすい場のデザインがものすごくコミュニティの価値を高めるんですね。なので、(1Fにawabarというカフェ&バーを設けている)『QUESTION』の設計を拝見したとき、本当によくできているなと思いました。不動産活用となると、得てして収益性や利回りといった話につながります。ただ、先ほども申し上げたとおり、隅発的な場には(不動産業界では無駄だとみなされがちな)余白が必要です。利益を考えると簡単にできることではないが、金融業界がやることが素晴らしいし、社会的メッセージとしてインパクトがあると思いました。」


新井氏)

「金融庁の日下さんからも一言お願いします。」


金融庁 監督局銀行第二課 地域金融生産性向上支援室長 日下 智晴氏)

「金融庁も昔に比べるとだいぶ変化しており、みんなその変化に気付いています。今回の京信さんのチャレンジは金融を変える大きな一歩。このように突き抜けられる組織がたくさん必要だと思います。」


最後に、榊田氏から「今まで議論ばかりしていたけど、これからはもっと実行していくしかない。これが金融機関のやるべきことかという議論をしている暇はない。よりソーシャルコンシャスなことを皆さんと協力し、この国を変えていきたい。」という力強い言葉で締めくくられました。


■ パネルディスカッション ②「個が主役のプラットフォーマーの役割」

登壇者:㈱商工組合中央金庫 経営企画部 未来デザイン室 衣川由希子氏、㈱fog 代表 大山貴子氏、金融庁 日下智晴氏、㈱ポケットマルシェ 代表 高橋博之氏、飛騨信用組合 常勤理事 古里圭史氏、㈱ボーダーレス・ジャパン 副社長 鈴木雅剛氏、SVC会長 新井和宏氏


次に、「個が主役のプラットフォーマーの役割」をテーマとしたパネルディスカッション②を行いました。


新井氏)

「第二部もよろしくお願いいたします。まずは、商工組合の衣川さん、どんなことをやっていらっしゃるのかというところからお話しいただけますでしょうか。」


衣川氏)

「大学卒業後から今まで、中小企業専門の銀行、商工組合中央金庫で働いてきました。今は、今年(2020年)の4月にできた新しい部署“未来デザイン室”というところで中小企業の幸せを可視化し、幸せ経営の応援をする新規事業に取り組んでいます。『幸せデザインサーベイ』というサービスを通して幸せを可視化していまして、個人の幸せを追究することが会社の幸せにつながり、さらにそれが個人に還元されもっと幸せになるという考えでやっております。具体的には100問くらいの質問に答えていただき、個人の幸せだけでなく、組織に属する幸せを確認できるというものです。企業では、幸せという言葉を使うと抽象的で、なかなか受け入れれない会社が多いのが一番の課題ではありますが、われわれの目的としては、日本中にある中小企業を幸せにしたいという想いで取り組んでおります。」



新井氏)

「ポケットマルシェ代表の高橋さんにご感想をお聞きしてみたいと思います。高橋さん、いかがでしょうか。」


高橋氏)

「ポケットマルシェの高橋と申します。ポケットマルシェは、全国の農家さんや漁師さん、生産者さんから、直接旬の食材を購入することができるオンラインマルシェで、その運営をしております。日本人は幸せについて議論するのが苦手であると思います。海外では当たり前なのに、牧歌的やお花畑と言われるんです(笑)。ですが、ここをしっかり考えないと、地域の人たちが幸せに暮らすために地域を活性化させるのに、方向性が決まらないし、何もできません。幸福、Well-beingを本気で話していきたいですね。うちはビジョンドリブンで、それに共感した人たちが集まっています。中には、給料が下がってでも転職してきてくれる仲間もいるので、やりがいや生きがいを感じて働いくれていると思いますが、実際に聞いたことはないので、今度聞いてみます(笑)。」


新井氏)

「高橋さん、ありがとうございます(笑)。ビジョンドリブンという言葉にとても共感します。僕がたくさん会社を見てきて確信したのは、いい会社はビジョンを意識していないということなんです。そして、ビジョンがなければ皆が作れば良いんです。会社そのものをソーシャルに変えていくこと。社員さんたちが幸せになることと社会のベクトルを合わせることで、結果的に幸せ経営になっていくと思うんです。


では、飛騨信用組合の古里さん、自己紹介と今まで出たお話のご感想をお話しいただけますでしょうか。」


古里氏)

「岐阜県飛騨高山の信用組合で常勤理事をやっております、古里と申します。われわれは、ここ6年間、中期経営方針に“ハッピー”を掲げています。6年前は、“ハッピーなんて”と内外から叩かれましたが、今はみんな普通に考えられるようになってきたんですね。“これをやることで、皆ハッピーかどうか?”という軸ができてからは、職員同志の対話だけでなく、お客様との対話の質も大きく変化してきましたので、ハッピーの定義をしっかり考え、いかにそれを実現していくかというところは僕たちも大切なスタンスだと感じています。」


新井氏)

「ありがとうございます。ボーダレス・ジャパンの鈴木さん、ビジョンドリブンというお話についてはいかがでしょうか。」


鈴木氏)

「皆さん、こんにちは。ボーダレス・ジャパンの鈴木と申します。僕らは、社会課題を解決するソーシャルビジネスという領域をメインで行っており、社会起業家の育成とチャレンジをみんなで助け合いながら実現していくという会社です。武井さんはじめ、皆さんが仰っているように会社のあり方は、ピラミッド組織からティール組織へ移行しており、ひとり一人のあり方が重要になってきています。先ほどのビジョンドリブンのお話にも結びつきますが、やはり“なぜその会社に集まるのか”が重要です。もう一つ重要だと感じるのは、自分がこうありたいと思って、個人のあり方が会社で実現できるように失敗許容度が高い設計を会社がしていく必要があるのではないかと思って聞いておりました。」


新井氏)

「『失敗を許容する』というのはすごく大切なキーワードではないかと思っています。僕が銀行員のころ、失敗=失脚だったので、そういった考えを取っ払っていくのが大切なんだろうなと。また現在は、時間管理に目が向けられた『働き方』改革が叫ばれていますが、幸せに働くための『働きがい』改革が必要なんですね。そういった意味でも、まずは『働きがい』を社員が定義できていることが重要だと思うのですが、高橋さん、いかがでしょうか。」


高橋氏)

「アニメ『ONE PIECE』の冒険みたいなもので、多くの時間を共有する社員と社長は人生のある一定期間で同じ船に乗った仲間たちです。また、僕は社長しかできないから社長をやっているというだけであって、みんな形が違うパズルのピースだと思うんです。それでみんなが合わさって、一枚の大きな絵をつくっている。そんな感じでしょうか。」


新井氏)

「ありがとうございます。高橋さんのように方向性を示す人がいるからポケットマルシェのように前に進めるんでしょうね。また、一言で『幸せ』と言っても、色んな捉え方があって、『愛をもってなぐる』ということも時には必要だと思うんです。やっぱりいい会社って、ちゃんと厳しさも持っていて、人間として成長できる環境を会社がつくることも大切だと思っています。衣川さん、ここまでのご感想などありますか。」


衣川氏)

「サーベイの結果として、『業績や利益を優先しすぎる企業は(たとえ財務的には優れていたとしても)社員幸福度が低い傾向にある一方で、みなさんのようなビジョンドリブンな会社は幸福度が高いという傾向が数字として出ています。本当に参考になるお話ばかりで、みなさんのような方々から学ばせていただきながら、幸福度が低い会社さんには『こうしたらもっと良いですよ。』といったアドバイスができるようになりたいと思いました。」


新井氏)

「皆さま、ありがとうございました。続いて、㈱fogの大山さん、よろしくお願いします。」


大山氏)

「よろしくお願いします。㈱fog代表の大山貴子です。fog(霧)というのは、霧がかかった森の澄んだ空気や湿った地表から生物多様性が豊かになるように、私たちも事業を通して人と自然が共存する『ここちよい社会』をデザインするという意味で名付けました。気候変動によって環境は刻一刻と変化していて、20〜30年先の未来が描けなくなっている中で、地域の人たちや(会社であれば)社員さんたちと一緒に考えていきたいということをミッションにしています。具体的には、鹿児島県薩摩川内市で薩摩川内の循環をテーマにした未来の産業集積地『薩摩フューチャーコモンズ』のビジョン策定や地域の人たちを巻き込んだコミュニティデザインを行ったり、イギリス発化粧品会社『LUSH』と一緒にエシカル、サステイナビリティ、生産者支援をテーマにしたホリデーマーケットを企画・監修したりしています。



課題について思うのは、よく『地域にも自律分散型社会を根付かせよう』と、地域のリソースを循環させながらも、(例えば、コンサルティングなどを通して)都市部の知識や知恵を流入させようという机上の空論的な動きが見られるのですが、そもそも地域にある素晴らしい土着の文化を知り、リソースを使うことが大切だと思います。一方で、地域にはさまざまな課題がありすぎて『課題ドリブン』になりすぎてしまっているというイメージもあります。福島にしても震災を引きずり続け、当時は小さい子どもだったような若い人たちに押し付けてしまっているという現状があります。なので、課題にしばられ過ぎずにビジョンドリブン、妄想ドリブンみたいなものがもう少しあると良いのではと思って活動しています。」


新井氏)

「ありがとうございます。ポケットマルシェの高橋さんは『都市と地方をかき混ぜる』というテーマでやってこられているので、今の大山さんのお話しに通づる部分があると思うのですがいかがでしょうか。」


高橋氏)

「都市と地方の関係は、頭と身体の関係に似ていると思っています。頭でっかちな都心が頭でっかちに、逆に地方が弱体化してしまってよろめいている。頭と身体はセットなので、都会の知識やスキルの頭と地域のつながりやリソースの身体を統合することが重要だと思うんですね。地域に支援に来た人も支援されている感覚。途上国支援にしても、被災地支援にしても、一方的な関係には限界が必ず来るものです。例えば、途上国のアフリカはお金は厳しいかもしれないが、幸福については逆に新興国に教えることができます。アフリカの開発銀行の総裁が『アフリカから世界に幸福を輸出できる』と仰っていたのが印象的でした。地方が困ってるから都市が支えるのではなく、お互いに活かし活かされること。『支援する』ではなく『連帯する』ことが重要だと思います。」


新井氏)

「ありがとうございます。支援する側と支援される側が分断しちゃう問題って『障がい者雇用』にも言えることだと思うんですね。支援する側は、血が出たところを直して、また他の傷口に対応して‥‥という風に、すぐ『対処』に徹しちゃうんです。でも、本質的解決は『生命力』のはず。そこに長期的目線でフォーカスできるか、腹くくって本質的解決を持てるかどうかが大切だと思います。皆さま、本当にありがとうございました。引き続き、SVCというネットワークをご活用いただければ嬉しいです。」


■ 特別テーマ「SVC運営委員と起業家コラボ企画 〜「食・農」をテーマにした持続可能な社会〜」

登壇者:湯島山緑泉寺 住職 青江覚峰氏、みらい畑株式会社 代表 石川美里氏、ローカルフードサイクリング株式会社 代表 平由以子氏


最後に、湯島山緑泉寺の青江覚峰住職をワークショップオーガナイザーに迎え、ブレイクアウトルームでのセッションも含めた特別テーマを行いました。



青江氏)

「食をテーマにしたワークショップというと、登壇者のお二人のご活動から学ぶのが通常だと思います。ですが、今回は参加者のみなさんが自分事化できるようになるのが目的の企画なので、少し違った視点で、『普段どんな食事をしているか』を事前に動画に撮ってきていただいきました。(動画を視聴)。


これは、コロナ禍で食事を扱ったリアルイベントができなくなったときに考えた『かがみごはん』というタイトルの企画なのですが、鏡のように自分の姿を見ることで普段では気づかないようなことに深く気づいていくというコンセプトの企画です。そこで今回は、食事を「X:食(何を食べているか)」「Y:事(どんなシチュエーションで食べているか)」「Z:作法(どのように食べているか)」に加えてなぜそれをしているのか(Why)という観点で見つめ直していく時間を取りたいと思います。平さん、石川さんは、普段どんなものを、どんなシチュエーションで、どんな作法で食べていますか?」



平氏)

「知り合いや仲間が作ったもの中心で、資源を循環させたものにこだわっています。出来る限り調味料は使わず、素材で食べれるように工夫していますね。昼は仲間と、夜は家族と食べることが多いでしょうか。作法としては、手間はかかりますが『全部まるごと食べること』を意識しています。」


石川氏)

「朝昼はコンビニやおにぎりで済ませたりと適当になってしまっているのが正直なところです。その代わり、夜は野菜をふんだんに使った食事を心がけています。そのときは、家で家族で食べることが多いですね。野菜はシンプルが一番なので、あまり調味料は使わずに素材を大事にしています。自社で販売していることもあり、ぬか漬けなど発酵食品で腸活を意識しているということもあります。」


ここからはブレイクアウトルームに分かれ、各々の食・場所・作法について対話を実施しました。


青江氏)

「皆さん、いかがだったでしょうか。自分の顔が見て話すのが当たり前になった時代だからこそ、他の人の食に対する考え方や振る舞いを知って冷静に自分を見つめ直し、じゃあ仕事ではどう振る舞うか? 家族では? 友達との交友関係だったらどうか?と自分の立ち位置を振り返ることができるのではと考え、このようなワークショップを行わせていただきました。今日はどうもありがとうございました。」



■ 閉会の挨拶

登壇者:㈱ジンテック 代表、SVC役員 柳秀樹氏


柳氏)

「柳でございます。皆さんの話を色々伺い、みんな幸せという目指すところは同じだが、アプローチ、道のりが異なるだけなんだと気づくことができました。私は今年50歳になるのですが、今の若い人たちがすごく意識を高く持っていらっしゃることにとても心強さを感じました。これからも皆さまと互いに助け合い、新しい社会を実現していきたいと思いました。今日は本当にありがとうございました。」



今回はコロナ禍の状況も踏まえ、初めての完全オンライン開催となりました。様々な地域で社会課題解決のため取り組まれている起業家の方、そして活動支援団体や金融機関をはじめとする支援者の方々がオンラインではあるものの一堂に会することとなりました。


ご参加いただきました皆様に、改めて感謝を申し上げます。

皆様のご健康と安全を祈りつつ、早期の収束をお祈り申し上げております。



今後ともソーシャルベンチャー活動支援者会議(SVC)をどうぞよろしくお願いいたします。








SVCでは一緒に活動してくださる仲間を引き続き、募集しております。

詳細は以下よりご確認ください。

https://www.svc.eumo.co.jp/join-us


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